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2016年4月27日(水)

熊本地震 建物「危険」判定5721件 「中越」上回る

「もう壊すしか…」住人悲痛

避難長期化 住まい確保は急務

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 熊本地震で被災した建物の危険度を調べる応急危険度判定を実施している自治体が、26日に熊本県内の14市町村に拡大していることが、県への取材で分かりました。早急に建物被害の実態調査が求められます。 (青柳克郎、砂川祐也)


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(写真)倒壊し、「危険」判定の赤紙が張られた家屋=26日、熊本県益城町(青柳克郎撮影)

 5721件の建物が「危険」と判定(24日現在)され、調査は途上ながら、新潟県中越地震の5243件を超える規模になりました。「危険」と書かれた赤い紙を張られた住人からは、悲痛な声や仮設住宅を求める声が上がっています。

 「被災建築物応急危険度判定」は、大規模災害後の二次災害を防ぐため、建築士の資格を持つ判定士が立ち入りの危険度に応じて「危険」(赤)、「要注意」(黄色)、「調査済み」(緑色)の3種類に色分けしたステッカーを張ります。

 発災から10日をめどに完了することが目安とされますが、相次ぐ余震や人員の不足などを原因に遅れていました。県は、被害が特に大きいとされた熊本市や益城町から調査を順次実施。被害の実態がつかめずにいた市町村でもようやく調査がはじまりました。26日に新たに拡大したのは、宇城、嘉島、美里、氷川の4市町です。

 震災関連死がでるなど、過酷な避難生活の長期化が懸念されるなか、調査で使用可能と判断されれば自宅に戻れるケースも増えます。

 県によると、24日までにのべ1725人の判定士が1万8176件を調査し、5721件が「危険」、5621件が「要注意」とされました。熊本市は1万182件の判定中、「危険」1815件、「要注意」3279件でした。

 「この家はもう取り壊すしかない」。そうつぶやくのは、益城町の元自動車整備工の男性(69)。築35年の家が傾き、「危険」の判定がされました。避難所となっている町内の体育館から毎日通い、庭のがれきを撤去するなど、後片付けに追われています。

 震度7を観測した2度目の激しい揺れが起きてから避難生活は10日を過ぎ、疲れがたまっているといいます。

 「寝泊まりしているのは体育館の入り口近くで、夜間は寒い。毛布は1枚しか支給されないので、家から敷布団を持ってきて、妻だけでも暖かく眠れるようにしている。今は気力で耐えているが、そろそろ限界。早く仮設住宅ができてほしい」

 同町で明治時代から続く理容室の4代目の男性(46)は、店舗と両親の住宅を兼ねる建物が「要注意」の判定を受けました。建物にひびや雨漏りの被害が生じ、電気と水道も復旧しておらず、営業再開の見込みはたっていません。一式で100万円の「はさみ」は奇跡的に無事で、「いつでも仕事できるのに…」と悔しそうです。

 「建物は補修すればすぐ使えるということなので、早く店を再開したい」


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