2016年4月25日(月)
「何とか入浴を」要望切実
熊本地震 避難所の衛生環境悪化
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熊本地震の発生から1週間以上たち、24日現在、依然として6万人近くが避難を余儀なくされています。感染症が発生するなど避難所の衛生環境の悪化も心配され、手洗いの励行や消毒薬の支給などが始まりました。
熊本地震により、多くの熊本市民が避難している市中心部の避難所を24日訪れると「風呂に入っていない。何とかしてほしい」と声が返ってきました。入浴施設がないことが依然として課題になっています。
砂取小(中央区神水)では体育館や廊下に、毛布を敷き横になる人の姿もあります。間仕切りはありません。夜間は百数十人が避難。食料や飲料水は十分といいますが、入浴施設がありません。
16日未明から身を寄せている夫妻は、「遠くの入浴施設に行って、何時間も待つつもりはない」と、日中、自宅に戻り電気ポットでお湯を沸かして体をタオルで拭くだけ。妻は「お風呂に入らないと、疲れがとれない」といいます。
夫は、「ガスが復旧したら自宅での生活を再開したい。その時には、余震もおさまっていてほしい」。
宇城市の女性(81)は、15日に中央区に住む娘を地震見舞いに訪れたものの、16日未明の本震に遭遇。「風呂にも入れないし、洗濯もできない」と嘆きます。
「宇城の自宅が気になるけれど、娘は『危ないから帰るな』と言う。余震が起きるたびに目が覚めて夜は寝られない。帰ることもできないし、ここにいたくもない」。声を詰まらせました。
県庁(中央区水前寺)の1階ロビーでは、ソファや座席をベッド代わりにする避難者もいますが、多くは段ボールと毛布を敷いただけです。
看護師の女性(55)は、2人の孫らと避難。「ここに来てから、下の孫(7カ月)が夜泣きするようになった。周りの人たちは口に出さないけれど、迷惑なんじゃないか」と気にします。
入浴施設には1日おきに訪れ、自宅で洗濯ができないためコインランドリーを使用。衛生問題のほか、金銭的負担も気にしていました。
(唐沢俊治、写真も)