2016年4月23日(土)
指定国立大 大学の自主性乱す
田村智子氏、国の越権行為批判
参院文科委
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日本共産党の田村智子議員は19日の参院文教科学委員会で国立大学法人改定法案の質疑に立ち、文科相が「世界最高水準の教育研究活動の展開が見込まれる」とする大学を「指定国立大学法人」に指定することは、「大学の自主性・自立性に踏み込む越権行為だ」と追及しました。
国立大学の評価は法令で、専門的知見による「ピア・レビュー」(同僚評価)を尊重し、国立大学評価委員会が行うと規定されています。田村氏は、法案では「指定国立大学」の指定・取り消しが文科相の専権事項であることを明らかにし、これまでの大学評価のあり方に反すると批判。「指定国立大学」への予算の重点化で、教育研究条件の大学間格差がさらに広がるとただしました。馳浩文科相は「予算の確保に努める」という答弁にとどまりました。
田村氏は、国立大学の基盤的経費である運営費交付金の削減と大学内での重点配分が「大学改革」として押し付けられたことで「教員1人当たりの研究費が今年度3万7千円になった」(新潟大学)など、教育研究基盤が掘り崩されている実態を示しました。その上で、「国立大学協会もこの『改革』が教育研究の停滞を生んでいると指摘している。やるべきは運営費交付金を抜本的に増額し、中長期的な視野で基礎的研究基盤をつくることだ」と追及しました。