2016年4月23日(土)
衆院北海道5区補選 自衛隊めぐり反共攻撃
選挙で問うのは戦争法廃止
熊本地震まで利用した自民の攻撃
24日投票の衆院北海道5区補選で、和田義明候補を公認する自民党陣営は「(日本共産党が)自衛隊を反対だなんていっている。いま自衛隊がどれだけ九州で活躍しているか。日本にいらないのは共産党だ」(21日、伊達忠一参院議員)と攻撃を続けています。
いま、選挙で、市民と野党が共同して有権者に問うているのは、安倍自公政権が国民多数の反対の声と憲法を踏みにじって強行した戦争法を廃止することです。「自衛隊の解消」を問題にしているわけではありません。
ましてや、日本共産党が災害時の救助活動に反対したことはただの一度もありません。自民党の攻撃は、熊本地震まで利用した卑劣なものです。
自衛隊は、憲法9条が保持を禁じた「戦力」にあたるので、日本共産党は、将来的には9条の完全実施(自衛隊の解消)をめざしています。それは戦争のない、軍隊も必要ない世界という平和の理想につながるものです。
それを実現するには、段階が必要で、時間もかかります。
たとえば、9条を生かした平和外交でアジアや世界の国々と友好関係を築き、日本をとりまく平和の情勢をしっかりしたものにすることも必要です。
そして、圧倒的多数の国民が“自衛隊がなくても日本の安全は大丈夫だ”と考えるようになってはじめて、自衛隊の解消に向かうことができます。
こうした道のりの途上で万が一、急迫不正の主権侵害といった必要に迫られた場合には「自衛隊を国民の安全のために活用する」(第22回党大会決議)というのが日本共産党のはっきりした立場です。大災害などの場合でも同様です。
日本共産党の小池晃書記局長は、21日の演説で「熊本地震でも東日本大震災でも、これだけ頑張っている自衛隊員を、危険な外国の戦争にかりだそうというのが自民党だ」と訴えたように、戦争法で自衛隊員を「殺し殺される」危険へと追い込もうとしているのは、安倍自公政権です。
戦争法は、集団的自衛権行使容認とともに、「戦闘地域」にまで自衛隊を送って米軍を支援することや、PKO(国連平和維持活動)での任務拡大が盛り込まれており、5区内の自衛隊駐屯地からも、内戦状態の南スーダンにPKOで派兵される予定で、自衛官の家族からは不安の声が上がっています。
自民党の日本共産党への筋違いの攻撃は、野党と市民の共同の力に追い込まれるなかで自らの悪政を隠そうとするためのものにほかならず、選挙を汚し、民主主義をさらに踏みつけにするものです。
(中川亮、前野哲朗)