2016年4月23日(土)
衛生法違反輸入食品 すでに消費・販売
斉藤議員追及 TPPで深刻化の危険
衆院特委
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「これは考えられない実態だ」。日本共産党の斉藤和子議員は22日の衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、モニタリング検査のもとで食品衛生法違反の輸入食品が大量に消費・販売されている実態を暴露し、TPPで事態がさらに深刻化する危険性を追及しました。
国の輸入食品監視業務の現行制度では、サンプルを抽出して行うモニタリング検査(行政検査)の結果が判明する前に流通を認めています。斉藤氏は、2014年度に残留農薬などが基準値を超えて検出された時点ですでに消費・販売されたトマトやマンゴー等の品目を列挙した資料(表)を突きつけ、認識をただしました。
厚生労働省の福田祐典生活衛生・食品安全部長は、03年度〜14年度に290件の流通があったことを認め、塩崎恭久厚労相は「流通制限は難しい」などと述べました。
斉藤氏は「本来食べてはいけないものが口にされている重大な事態だ」「TPPで輸入食品の急増をもたらそうという中で、このような事態が二度と起こらないと断言できるのか」と迫りました。
塩崎氏は「国内産でも全く同じことがいえる」と問題をすり替え、無責任な姿勢を示しました。
斉藤氏は、違法輸入食品の流通は「制度そのものに問題がある」と力説。米国などの緩和要求を背景とした食品衛生法改悪(1995年)で、検査結果が出るまで流通を留め置く検疫検査からモニタリング検査に改変されたことを批判し、元の検査に戻すよう求めました。
塩崎氏は、現行制度の検査方法の説明を繰り返し、何ら具体策を示せませんでした。
斉藤氏は、TPPにより「48時間通関制度」が導入されようとしていることにも言及。09年の財務省調査によると、輸入手続きの平均所要時間は動植物や食品検疫対象貨物で92・5時間かかり、時間短縮による無検査輸入の増加が懸念されています。斉藤氏は「TPPは食の安全安心に真っ向から反することは明らかだ」と強調し、撤回を強く求めました。
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