2016年4月23日(土)
辺野古新基地 「知事判断 尊重して」
翁長沖縄知事が係争委で陳述
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沖縄県の翁長雄志知事は22日、辺野古埋め立て承認取り消しの適法性について審査を進めている総務省の第三者機関・国地方係争処理委員会(小早川光郎委員長)で意見陳述し、取り消しの適法性を訴えるとともに、地方自治の本旨に基づく「中立・公正な判断を」と求めました。係争委の設置以来、都道府県知事本人による陳述は初めてです。
今回の審査は、県と国の代執行訴訟の「和解」直後に、国交相が出した「是正の指示」を不服として、県が申し出たものです。
翁長知事は陳述で、裁判所が和解勧告をしたのは、「国の手続きの不当性を認めたからだ」と強調。県との協議すら経ずに踏み切った今回の「指示」についても、「国交相の指示こそ違法だ」と断じました。
また、知事は、国と地方を対等の立場とした地方分権改革の一環で2000年に係争委が設置された経緯にふれ、「県を代表する沖縄県知事の判断は何よりも尊重されなければならない」と訴えました。
知事の陳述後、小早川委員長は「(沖縄の)問題の基盤をなす全体の事情を踏まえつつ」審査する考えを示しました。
相手方の国側からは、石井啓一国土交通相は出席せず、代理として法務省や防衛省の局長らが出席。知事の承認取り消しによって「わが国と米国が長い年月をかけて築いてきた信頼関係が確実に損なわれる」と不利益の大きさを強調しました。
5人の委員からは、公有水面埋立法をめぐる国の解釈に対して「よく分からない」などと疑問や質問が相次いで出されました。
係争委は、県と国の双方に文書で再度説明を求め、参考人の採用などの証拠調べの詳細についても、引き続き議論する方針を決めました。