2016年4月23日(土)
熊本地震 つのる健康不安
避難者 慣れない生活 ストレス蓄積
熊本地震の被災地は22日、強い風雨に見舞われた前日から一転、立っているだけで汗がにじむような天気になりました。被災者は先の見えない避難生活のなか、健康への不安を募らせています。
熊本市東区の市立健軍東小学校の校庭には、被災者の車が多く止まっています。ドアをあけて車中や木陰で休む姿が見られます。
14日の地震直後から避難している女性(75)は、校庭に止めた車の後部ドアを開け、パイプいすに座っていました。14日の地震直後から避難。15日朝までは、小さな布団をかぶり、校庭でいすに座って一晩過ごしたといいます。
自宅は壁に大きなヒビが入り「14日と16日の“どーん”という突き上げる揺れが頭に焼き付いている。余震も続いていて怖い」。車のなかで夫(80)と2人で寝起きしています。「おととしヘルニアの手術をして、腰もひざも痛い。足もパンパンに腫れて。車のなかでは全然休めない」とつらそうに話します。
強い雨が降った21日には、狭い車中で夫と2人で過ごしました。「早く地震が収まって、足の伸ばせる場所でゆっくり休みたいわ」。そばで話を聞いていた看護師の娘(50)は「両親の体調が心配です。私も、ほとんど休めていない。体がもつか不安です」と語りました。
同市中央区の公園のベンチに腰かけ、おにぎりを食べていた同区の女性(60)は、姉の家に身を寄せているといいます。
そばに置いた袋のなかには、地震のため、公園近くの屋外で営業していたスーパーで買った、ティッシュペーパーや飲み水の入ったペットボトルがあります。
「余震が続いていて、家では落ち着いていられない。慣れない状況と場所での生活が続き、ストレスがたまっています」。おにぎりを食べ終えた女性は「とにかく体調も今後の生活も不安だらけ。早く地震が落ち着けばいいのに」と語りました。
(内田達朗)