2016年4月22日(金)
過酷事故避難 2段階は混乱必至
藤野氏 「川内稼働中止を」
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日本共産党の藤野保史議員は21日の衆院原子力問題調査特別委員会で、過酷事故の発生時に、原発の5〜30キロ圏内の住民に屋内退避を強いる原子力災害対策指針の「2段階避難」の問題点をただしました。
藤野氏は、多くの被災者が「余震が怖くて家に戻れない」と車中泊を余儀なくされている熊本地震での被災者の実態を示し、「屋内退避の方針の矛盾が浮き彫りになった」と指摘。「原子力規制委員会として、この方針が機能するか再検討しないのか」と迫りました。田中俊一原子力規制委員会委員長は「(屋内退避の目的は)放射能を吸いこまないこと。地震が起きた場合でも基本的には公共の避難場所に留まることが必要だ」と答えました。
さらに藤野氏は、過酷事故が発生した際に、放射性物質の拡散予測をする緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(SPEEDI)の使用について、政府は自治体任せにし、原子力規制委員会は使わない方針である問題を指摘。「避難時に(自治体と原子力規制委員会の)どちらの情報を聞いていいのか分からず、2段階避難は破たんする」と強調しました。田中委員長は「(政府と)調整はしていない。当該自治体の責任において避難する」と答弁しました。
藤野氏は、関電高浜原発3・4号機の運転停止を命じた大津地裁の決定(3月)が、「避難計画をも視野に入れた幅広い規制基準」をつくる義務を指摘した重要性を強調し、川内原発の稼働中止を求めました。