2016年4月21日(木)
食の安全 91%が無検査輸入
斉藤氏、監視員増求める
TPP特別委
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日本共産党の斉藤和子議員は20日の衆院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、検疫検査の体制不備によって大量の食品が無検査で輸入されている現状が、TPPを批准すれば事態はさらに深刻化すると強調し、食の安全を守るためにTPPを撤回して食品衛生監視員を抜本的に増員するよう求めました。
食料自給率39%(カロリーベース)の日本は全世界から約3200万トンの食料を輸入し、そのうちの61・88%がTPP加盟11カ国からの輸入です。
斉藤氏は、残留農薬や遺伝子組み換え食品の使用の有無などを調べる検査率が2014年度8・8%であり、「91・2%が無検査で輸入されている。安全だと信じて食べ物を口にする消費者にとっては驚くべき実態だ」と指摘しました。
塩崎恭久厚生労働相は、同11カ国からの輸入食品の食品衛生法違反件数が2014年度に米国74件など計172件で、TPPが導入されれば輸入食品のさらなる増加が見込まれることを認めました。
斉藤氏は、輸入食品の監視業務に従事する食品衛生監視員が全国で408人にすぎず、16年度は2人しか増員していないことを確認。国民の健康と生命を守るため、抜本増員に踏み切るべきだと求め、「TPPによる輸入食品急増の事態になれば、国民の食の安全は重大な事態をむかえる」と指摘しました。
萩生田光一官房副長官は「今後の食品の輸入動向を踏まえた検疫上の体制を整備することが重要という認識は共通している」と答弁しました。