2016年4月20日(水)
自白強要なくならぬ
参院委参考人質疑 部分録画の危険明らかに
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参院法務委員会は19日、刑事訴訟法等改定案について参考人質疑を行いました。1967年に発生した強盗殺人事件(布川事件)の冤罪(えんざい)被害者である桜井昌司氏と、弁護士の小池振一郎氏の発言から、捜査側に都合の良いところだけを録音・録画できるようにする法案の危険が明白になりました。
意見陳述で、桜井氏は「法案は、ますます冤罪をつくるものと確信している。全面可視化を義務づけず、捜査官の裁量で録画しなくても良いとする法案はありえない」と強調。「どれだけの仲間が苦しめば被害を防ぐ法律をつくるのか」と涙ながらに訴えると、傍聴席から拍手が起きました。
小池氏は「(取り調べで被疑者を)屈服させた後に犯行内容を語る場面だけを録画し、自白調書をとる恐れがないと言えるのか。法案は抜け穴だらけだ」と指摘しました。
日本共産党の仁比聡平議員は、捜査側の筋書きに沿った取り調べに屈服させられウソの自白に追い込まれることで数々の冤罪が生まれてきたことを深く考える必要があると指摘しました。
桜井氏は「留置所ではすべての時間が管理され、トイレもお願いしないと行けない。逮捕されれば全裸にされる。せまい部屋で朝から夜まで、おまえが殺人犯だ、認めないと死刑だと責められる。(心が)ボキッと折れた」と証言しました。
仁比氏は、政府は「対象事件の全過程が録音・録画される」と説明してきたが「本当にそうなのか」と問いかけました。
小池氏は「法案が成立しても、全過程で可視化されることはない。録画のないところで自白を強要する。こんな法案はないほうが良い」と語りました。