2016年4月20日(水)
きょうの潮流
「カミ パン SOS 水 コクフ」。上空のカメラがとらえた救援物資を求めるメッセージ。熊本市中央区にある国府高校の校庭です。高校生の発案でパイプ椅子を並べました▼16日未明の地震後、近所の住民らが避難していました。徐々に物資は届いているそうですが、同校と救援物資が積まれている熊本県庁の距離はわずか1キロ程度。数百カ所も避難所が点在する現地の混乱ぶりが伝わってきます▼全国から続々と寄せられる支援。しかし被災者は、食料や水、生活必需品の不足を、SNSなどを使って訴えています。一方でモノがあふれながら、必要としている人たちに届かない。歯がゆさが募ります▼大動脈の九州自動車道をはじめ、物流ルートの寸断。物資の仕分けや配達などの人手不足。それに輪をかけているのが行政の混乱ぶりです。指定していた避難所では足りず、耐震性にも問題があって多くが車中泊に。健康悪化や突然死の不安も高まっています▼もともとの防災計画を疑問視する声も。建物の耐震化、大地震に見舞われた際の避難ルートや救助・救援の対策、支援体制は準備できていたのか。ひとごとではありません。地震列島の日本、各地の自治体で早急に見直すべきでしょう▼オスプレイを使った物資の輸送や原発の稼働に固執する安倍政権。災害を政治に利用しようとする国の介入は混乱と不安に拍車をかけています。現地の本紙記者からは、住民同士助け合う姿があちこちにあると。広がる支え合いの輪が救いです。