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2016年4月19日(火)

主張

九州地方地震災害

被災者の実態踏まえた支援を

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 熊本、大分両県を中心に九州地方を襲った地震災害は、依然として強い余震や誘発された地震が繰り返され、被災者の不安に拍車をかけています。被災地を大雨が襲えば、土石流などによる二次災害も懸念されます。残された行方不明者の捜索と救出に全力を挙げるとともに、被災者の実態を踏まえた救援の体制を強め、地震で助かった命が避難生活で損なわれるなどということが決してないよう、政府や自治体の支援を強めることが求められます。

避難者に手厚い対策急げ

 いまも強い余震などが続いているため、被災者は自宅の片付けもままならず、不安を募らせているのが実態です。日中は自宅に帰っても、あまりの被害の大きさに立ちすくみ、暗くなってからは地震に備えて避難所に身を寄せる人もたくさんいます。住宅が損壊しているだけでなく、電気や水道など多くのライフラインが断たれ、復旧していないことが被災者の困難を大きくしています。

 被災地での避難は、予定された避難所自体が地震で損壊しているところもあり、避難所へ物資を運ぶ道路も大きく破損しているところが多いため、容易ではありません。全国から食料や水など支援物資が多数寄せられているのに、配布ルートが機能せず、被災者まで届いていないところもあります。政府や自治体は住民などの力も借りて被災者一人ひとりへの温かい支援を強めるべきです。

 避難所が狭く、プライバシーが確保できないなどの理由で、避難所の前に駐車した車などで寝起きしている被災者も少なくありません。過去の地震では長時間、車内で過ごしたため血栓などを起こし、最悪の場合亡くなった人も出ました。こうした悲劇を繰り返さないため、必要な避難所の確保や居住環境の改善とともに、被災者の健康管理にも注意すべきです。

 高齢者や障害者、妊婦、小さい子どもがいる家庭など、被災者の実態に見合った対策が求められます。車いすなど介護が必要な人には、これまでの災害でも福祉避難所などの重要性が指摘されていますが、政府や自治体は被災者の要望をくみ上げるべきです。

 住民が避難しているのは自治体が設置した避難所だけではありません。公園やガレージなどに避難している人もたくさんいます。高層のマンションなどでも部屋に帰らず、ロビーなどに避難している人もいます。食事や水、生活必需品などの物資が十分行き渡るよう、特別の対策が求められます。

 地震の被害がとりわけ大きかった益城町や西原村、南阿蘇村など、地域の住宅や集落が軒並み倒壊しているところもあります。避難所の確保さえ困難な地域では、被災者を一時的に近隣の町村などで援助することも必要になります。頑丈なホテルや旅館の活用も検討すべきです。被災地と被災者の実態に見合った対策が不可欠です。

ライフラインの復旧急務

 電気や水などライフラインの復旧、移動手段の確保など、急いでやるべきことはたくさんあります。被災した住宅は住民の安全確保のため、「応急危険度判定」や「被害認定」が必要ですが、そのための体制も十分ではありません。

 被災者の実態を踏まえた支援を強め、仮設住宅の準備など今後の復興につなげていくべきです。


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