2016年4月17日(日)
市役所庁舎が損傷
熊本・宇土市 立ち入り不可に
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熊本県宇土市では16日、市役所本庁舎が激しく損傷し中に入れなくなり、職員らは屋外で被災者対応などの災害対策業務を続けています。
同市浦田町にある鉄筋コンクリート5階建ての庁舎は4階部分が大きくひしゃげ、5階部分がその上にV字型に落ち込んでいるように見えます。14日の最初の地震で建物にひびが入ったため市は庁舎への立ち入りを禁じており、16日の地震の際は無人でした。
市は庁舎裏の駐車場に約10のテントを並べ、災害対策本部や救護所、支援物資の配布所などとして使っています。本庁舎は危険で立ち入れず、中の書類などを持ち出せない状態です。余震があるとミシミシと音をたてました。
市企画課によると庁舎は1965年築。2006年実施の耐震診断で「震度6強で倒壊の恐れ」とされましたが、財政難で建て替え計画が遅れていました。東日本大震災を受けて建て替えを検討する委員会を発足させ、今年度にも基本計画を策定する予定だったといいます。
日本共産党の福田慧一市議は「小中学校の耐震補強や建て替えを優先して進めていた。結果的に庁舎が地震に間に合わなかった」と説明します。
元松茂樹市長は「今は避難している市民の援助に全力を注ぐ。通常業務の再開も考えなければいけないが、まだ新たな拠点のめどはついていない」といいます。福田議員は「住民サービスを維持できるよう、国や県にも支援してほしい」と話しています。(安川崇)