2016年4月17日(日)
両親の無事に涙
益城町 倒壊家屋から救助
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16日午前1時25分ごろ、熊本県熊本地方を、マグニチュード7を超える強い地震が襲いました。14日夜の地震で8人の死者を出した益城(ましき)町では、多くの家屋が新たに倒壊するなど、被害が拡大しています。
県道28号沿い南を中心に、辛うじて原形をとどめていた古い家屋が前夜に続く強い地震のため至る所で激しく損壊。道路の亀裂や陥没、隆起が点在し、傾いた電柱もあちこちに見られました。
町役場の敷地にブルーシートの敷かれた屋外避難所には、約60人が毛布にくるまり、夜間の冷え込みを耐えていました。10〜30分おきの断続的な余震に「またなの」「いいかげんにして」などの悲嘆のつぶやきが漏れていました。
地震発生で飛び起き、妻と2人で避難所を訪れていた男性(47)=会社員=は、間断なく続く余震に眠れず、2時前からブルーシートに座っていました。「昨夜も眠れず、夜明けとともに家の中を片付け、夕方にやっと落ち着けたと思ったら、これです。予報では週末、雨が降るというので心配になります」
つぶれた家屋の下敷きになるなど、逃げ遅れた人たちの救出活動が警察などによって夜通し続けられました。午前7時前、避難所で横になっていた母親の手を握りしめ、語りかける男性(29)=八代市=の姿がありました。両親の住む益城町の実家に向かいますが、未明の激しい揺れでたどり着いたのは同3時半すぎ。1階部分が無残に押しつぶされていたため、恐怖に襲われましたが、父の友人が2人の身を案じ、見回りに訪れて警察に通報してくれたおかげで命を取り留め、無事に救助されたといいます。
男性は「父の友達が家の近くにいて気にかけてくれ、本当によかった。家は壊れて大変ですが、命があれば何でもやり直せると思います」と涙をふきながら話していました。(岡素晴、写真も)