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2016年4月16日(土)

熊本地震 「余震怖い」募る不安

「先、考えられない」

被害集中 益城町で避難者

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 最大震度7の地震が襲い、家屋の倒壊などの被害が集中した熊本県益城町。町役場付近の地域では傾いたり、1階部分が押しつぶされたりした家屋があちこちに見られます。被災者は余震による被害拡大の不安を抱えたまま、2日目の夜を迎えました。 (桑野白馬、安川崇)


写真

(写真)避難所になった体育館でスタッフ(右)から食料品などを受け取る被災者=15日、熊本県益城町(桑野白馬撮影)

 町役場にほど近い同町木山地区。いたるところで道路のアスファルトにひびが入り、数十センチ規模の隆起や陥没があります。2階建てと思われる民家の1階部分がすぐ脇の約4メートル下の川に崩れ落ち、2階部分は逆に道路側に大きく傾いていました。

 電線が低く垂れさがり、住民がくぐるように歩きます。木造の家屋のはりと壁が崩れ、白い軽乗用車のボディーがひしゃげていました。倒壊家屋付近からガスのにおいが漂います。

 同地区のキリスト教会兼住宅の建物が、二つに割れるように傾いていました。豊世武士牧師(70)は地震の瞬間を「寝間着に着替えようとしていたらドーンとなっていったん下に沈み、その後で左右に猛烈に揺さぶられた。揺れが弱くなったと思ったらまた強くなる。何度も押し寄せている感じだった」と振り返りました。

 妻といた1階部分は押しつぶされました。「出口がない。裏口に近い天井から星空が見えた。2人で必死に這い出た。真っ暗で、恐怖が募った」

 室内にいた娘(33)は閉じ込められ、レスキュー隊に5時間かけて救出されました。「娘は寒さと恐怖と5時間たたかった。軽傷だったのが幸いです」

 傾いた自宅前にぼうぜんと座り込んでいた男性(72)は寝ている時に被災。「身の回りのものを集めてバッグに詰めた。視覚障害がありよく見えなかったが、部屋が傾いているのはわかった」

 壁をつたい脱出しましたが家に戻れる状況ではないと判断。「今日は近くの避難所で過ごす。先のことは考えないようにしている。暗くなってしまうから」と静かに話しました。

 同町福原の町総合運動公園内にある総合体育館には15日午後時点で400人前後の被災者が滞在していました。被災者は木の床や柔道場の畳の上にウレタンマットや毛布を広げて過ごしています。廊下に直接毛布を敷いて寝起きしている家族もいます。

 早朝から避難してきた女性(76)は「電子レンジも、冷蔵庫も、全て落ちてきた。ガラスが散乱して、家がめちゃくちゃ」と悔しそうに語ります。

 「息子の車で一晩過ごした。余震が続いて怖かった。見通しは立たないけれど、避難所の方々の支援がありがたいです」と話しました。


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