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2016年4月16日(土)

主張

熊本地方震度7

直下型地震のこわさを示した

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 人々がそろそろ眠りに就こうとしていた14日夜、熊本地方を襲ったマグニチュード(M)6・5、最大震度7の地震は、夜が明けるとともに詳しい状況が明らかになり、9人が死亡、重軽傷者が1000人に上るなど、大きな被害をもたらしています。現地では余震が続いています。亡くなった方とそのご家族をはじめ、被災された方に心からお見舞い申し上げます。日本共産党は対策本部を設置しました。被災者の救出・救援と二次被害の防止が求められます。世界有数の地震大国・日本で、地域を問わず地震への警戒と対策を強めることが重要です。

浅い震源で激しい揺れ

 国内で最大震度7の地震が発生したのは、1995年の阪神・淡路大震災(マグニチュード7・3)、2004年の新潟県中越地震(同6・8)、11年の東日本大震災(同9・0)以来です。今回、地震の規模を示すマグニチュードに比べて震度が大きくなったのは、地震が熊本市と隣接する益城町の真下付近の深さ11キロメートルと予想される浅い震源で発生したためです。直下型の地震です。震源が浅い地震は、一般的に余震も多いともいわれます。

 崩壊した建物や倒れた塀、落下した屋根、道路などの損壊、九州自動車道のひび割れ、崩れ落ちた熊本城の石垣など現地から伝えられる映像も、直下型地震の被害を浮き彫りにしています。

 東日本大震災のように、海溝など地中深くのプレート(岩板)の境界付近で発生する地震に比べ、内陸部の地震は断層のずれが原因になって起きるもので、局地的に激しい揺れになることがあります。熊本地方を含む九州は断層が多く、震源付近にも日奈久断層や布田川断層などが断層帯をつくっています。気象庁はこれらの断層による「横ずれ断層型」の地震だったと発表しました。

 同じように断層が原因になった地震では、阪神・淡路大震災の場合、淡路島から兵庫県南部にかけて長い断層が動き、神戸市や阪神間の都市部をはじめ、大きな被害をもたらしました。今回の熊本地方の地震では動いたのは断層の一部だったとみられますが、震源が浅かったため、地表に大きな被害をもたらしました。

 動いたのが断層の一部だとすれば、今後も残った断層が動く可能性があると指摘する専門家もいます。それでなくても、最初の地震に伴う余震が相次いで発生し、なかには最大震度6強や6弱を記録したものもあります。気象庁は余震が1週間程度続くと見ており、雨も予想されます。必要な避難体制を整え、倒壊の危険がある建物には絶対近づかないなど、今後も警戒が必要です。

地震大国として備え強め

 大陸側と海洋側のプレートに押され、火山も多い日本列島は全国を断層が走っており、世界有数の地震大国です。プレート境界型の地震とともに断層型の地震にも備えを怠ることはできません。

 とりわけ大都市などでの直下型の地震は大きな被害をもたらします。今回は全国で唯一稼働している九州電力川内原発(鹿児島県)や停止中の玄海原発(佐賀県)には被害は見られていませんが、地震地帯に原発をつくるなど論外です。原発は停止し、住民の暮らしの安全を最優先すべきです。


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