2016年4月15日(金)
老朽原発廃炉へ提訴
高浜1・2号 住民ら国相手どり初
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運転開始から40年が過ぎた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の廃炉をめざす、愛知、岐阜、福井など14都府県の住民76人が14日、国を相手どり運転延長認可差し止めを求めて名古屋地裁に提訴しました。国を被告にした老朽原発廃炉を求める裁判は全国初。
訴状では「54基の原発が約2年間動いていないときでも電気は足りていた。あえて危険な老朽原発を動かしてほしいという市民はいるだろうか」と指摘。それにもかかわらず、政府、原子力規制委員会、電力会社は福島の事故を忘れたかのごとく再稼働にまい進していると批判しました。
提訴後の会見で、弁護団長の北村栄弁護士は「新規制基準と規制委の審査そのものの不合理性を問う裁判」と強調。今年2月に再稼働したばかりの高浜4号機がわずか3日後に緊急停止したことについて「これが『世界で一番厳しい』といわれる規制委の審査の現実だ」と批判しました。
地裁前には原告、支援者ら200人が詰めかけ「老朽原発廃炉」のプラカードを掲げました。原告の女性(37)は「洗濯物が風で乾き、季節のものをおいしく食べるという、ささやかな幸せを原発に奪われたくない」と訴えました。
福島原発事故後、運転40年を過ぎた原発は廃炉が原則になりましたが、規制委が認めれば20年延長できます。関電は昨年、運転延長を申請し、規制委は今年2月、新規制基準に「適合」したとする審査書案を了承しています。再稼働するためには別に延長認可が必要です。7月7日までに認可が下りなければ、廃炉にしなくてはなりません。