2016年4月6日(水)
載荷試験 事前実施を
辰巳議員 杭打ち不正 規制緩和を批判
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日本共産党の辰巳孝太郎議員は5日の参院国土交通委員会の参考人質疑で、横浜市都筑区のマンション基礎杭(くい)工事を担当し、杭打ちデータを偽装していた、2次下請け旭化成建材(東京都)の堺正光社長に質問しました。
辰巳氏はマンション建設地に従前の建物の残存杭が地中にあることを、元請け三井住友建設から知らされていたかと質問。堺氏は「情報はいただいてない」と答えました。杭の支持層(固い地盤)の傾斜などについても「情報の伝達はなかった」と述べ、辰巳氏は旭化成建材の責任とともに、「さまざまな情報を隠し持っていた三井住友建設の責任は重大だ」と強調しました。
また、辰巳氏は、規制緩和された建築確認申請問題について質問。杭打ちの着工が2005年12月27日で、杭の耐力を調べる「載荷(さいか)試験」を実施したのが06年1月26日だと指摘。試験結果を見ずに「確認済証」が交付、施工されたことを指摘し、「載荷試験は事後チェックでいいのか。安全軽視の規制緩和ではないか」と追及しました。
国交省は「設計時に安全側の数値で基礎杭の支持力を設定してその妥当性を施工時の載荷試験で確認する手法」と答弁。建築基準法上問題ないとの見解を表明しました。
辰巳氏は「(設計時より支持力の数値が下回った場合)途中で試験して構造計算をやり直すなんて大変なことはできない。安全第一で考えて載荷試験を事前にきちんとやらせるべきだ」と求めました。