2016年4月4日(月)
核関連企業に投資せず
米ケンブリッジ市決議 “誤った税使用”
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【ケンブリッジ(米東部マサチューセッツ州)=島田峰隆】米マサチューセッツ州ケンブリッジの市議会はこのほど、市の退職年金基金の運用について、核兵器の生産や近代化に関わっている企業や団体から投資をすべて引き揚げる決議を全会一致で採択しました。デニス・シモンズ市長が2日、市内で開かれた核兵器に関する会議で発表しました。
同市議会は2009年に核廃絶を求める決議を採択。市と地元の平和団体、研究者らは核廃絶の流れを強めるために、投資引き揚げの決議を共同で追求してきました。
3月21日に採択された決議は、米政府が狙う核兵器の近代化は「核拡散、核兵器テロ、偶発的な核戦争の危険を高めるとされている」と強調。手ごろな価格の住宅建設、公共交通の改善、持続可能なエネルギー源の開発が必要な時に、「核兵器をつくる企業への投資は、税金の誤った使い方を暗黙のうちに支持することになる」としました。
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その上で「核兵器の生産や近代化に関わり、支援するいかなる組織に対しても退職年金基金を投資することに反対する」と宣言。市民らを対象に、核兵器関連の契約を持つ企業からの投資引き揚げについて情報提供するとしています。
同市長は全米市長会議の総会で決議を紹介し、普及したい考えを示しました。