2016年4月3日(日)
核安保サミット閉幕
核テロ阻止協力確認
拡散防止など共通の目標
【ワシントン=洞口昇幸】オバマ米大統領が議長を務め、各国首脳らが参加するワシントンで開かれていた「核安全保障サミット」は1日、過激組織などが核物質を入手して使用するテロの阻止、その脅威を減らす安全保障の強化を永続的な優先事項とし、各国・機関がより協力していくことを確認した共同コミュニケなどを発表し、閉幕しました。
同コミュニケでは、核軍縮や核拡散防止などを参加国が共通の目標とする責任があることも確認。核物質の安全管理を目指す行動計画も発表しました。
オバマ氏は、閉幕に合わせて行われた記者会見で、過激組織ISによる核のテロの防止や同組織打倒のため、「より多くの情報の共有が必要だとの幅広い合意があった」と説明しました。
同氏は、核物質がテロリストの手に渡らないように各国の原子力施設などからの除去・処理の継続も強調し、国連や国際原子力機関(IAEA)、国際刑事警察機構(インターポール)も含む「強力な枠組みを維持することでわれわれは合意した」と述べました。
オバマ氏は、核テロの防止が、自らが2009年のプラハで示した「核兵器のない世界」に向けた取り組みの一つだと述べ、引き続き核拡散防止と廃絶に向けて取り組む姿勢を示しました。
また、核実験や弾道ミサイル発射を続ける北朝鮮について「最も急を要する懸案であり、国際的にも重点的に取り組んでいる」と指摘。習近平・中国国家主席との会談でも北朝鮮問題が主要議題になったと明らかにしました。大統領は、ロシアとの新たな核軍縮交渉が進んでいないことにも不満を表明しました。
サミットには56の国・機関の代表が参加しました。
ワシントン市内では同日、核兵器廃絶を掲げる国際的運動体「グローバル・ゼロ」や市民らが、より積極的な核兵器の削減を求めてデモを行いました。