2016年4月3日(日)
給付制奨学金導入して
全国会議集会 返済の苦しみ訴え
参院選争点化 働きかけも
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奨学金制度の改善にとりくむ「奨学金問題対策全国会議」は2日、設立3周年集会を都内で開き、約150人が参加しました。学者や弁護士、奨学金の返済に苦しむ若者らが発言し、給付制奨学金の導入などを求めました。
同会議共同代表の大内裕和・中京大教授は、多くの若者が多額の奨学金返済と日本学生支援機構の過酷な取りたてに苦しめられている実態が世間に広く知られるようになってきたと指摘。運動や世論の盛り上がりによって「安倍首相までもが給付制奨学金の必要性を口にし始めた。7月の参院選挙で争点化するため働きかけよう」とのべました。
当事者として発言した女性は、卒業後の就職先で激務やパワーハラスメントなどで体調を崩すも「奨学金返済のため」と仕事を続け、ついに働けなくなり、破産に追い込まれたと発言。「誰もが安心して学べる社会になることを願っています」と語りました。
NPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典氏は高齢者や若者、子どもの貧困はつながっており「奨学金問題は世代を超えた問題だ。一致団結して前進させよう」と話しました。
「愛知県学費と奨学金を考える会」の若者は、大学内で奨学金について学ぶ講座などを行っていることを紹介。「関西学生アルバイトユニオン」共同代表の堀詩織さんは、奨学金返済のためブラックバイトから抜け出せない若者が増えていると話しました。
給付制奨学金の導入をめぐっては3月23日、301万人以上の署名が政府に提出されています。