2016年4月1日(金)
監視対象拡大やめよ 島津氏
サイバーセキュリティ基本法等改定案
衆院本会議で可決
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情報システムの保護を口実に、国の監視や調査対象を拡大するサイバーセキュリティ基本法等の改定案が31日、衆院本会議で採決され、自民党、公明党などの賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
現行法では、内閣のサイバーセキュリティ戦略本部が、中央省庁の情報システムに対する不正な活動が行われた場合に調査や監視を行います。改定案は、対象を独立行政法人などにも拡大するものです。
30日の内閣委員会で質問した日本共産党の島津幸広議員は、同法では「IT(情報技術)の活用による活力ある経済社会の構築」をうたっているが、「セキュリティーはあくまで国民の情報を守るためのものでなければならない」と強調。所管する遠藤利明大臣は「国民を守るのは当然だ」と答弁しました。
島津氏は、日本年金機構のデータ流出問題を改定の口実にしていることについて、「組織が自律的にセキュリティーを行い、所管省庁が監督するのが基本だ」と述べ、国の監視や調査を際限なく広げることにつながるのは認められないと述べました。
島津氏は、安倍内閣の「サイバーセキュリティ戦略」に「米国とのサイバー攻撃に関するデータの共有」が盛り込まれていることを示し、その情報を国民に開示するかただしました。谷脇康彦内閣審議官は「個別具体的な協力内容については答えられない」と答弁。島津氏は「米国はサイバー攻撃に対し、現実空間での反撃も辞さないとしている。その米国のサイバー戦略に巻き込む土壌づくりという懸念はぬぐえない」と指摘しました。