2016年4月1日(金)
南スーダン宿営地に着弾
PKO原則成り立たない 参院委 井上議員追及
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日本共産党の井上哲士議員は31日の参院外交防衛委員会で、南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)に派遣された陸上自衛隊5次隊の宿営地に着弾した銃弾が陸自福知山駐屯地(京都府福知山市)に展示された問題を追及し、安保法制=戦争法による自衛隊のPKO任務拡大の現実の危険性が極めて鮮明となりました。
宿営地で銃弾が発見されたのは、2013年12月16日の大統領派と副大統領派との武力衝突が始まった翌日。ところが、派遣部隊隊長に報告されたのは6カ月後で、隊長は「後進の隊員教育・啓発用のため」として持ち帰り、福知山駐屯地での展示に及んだとされます。
井上氏は、14年1月5日に宿営地近くで発砲があり、同月8日には隊長が緊急撤収計画を決済していたことなども指摘。「宿営地に着弾していた事実は、政府の『南スーダンはおおむね平穏であり、停戦合意などのPKO5原則は守られている』という言い分は成り立たないことを示している」と追及しました。
中谷元・防衛相は宿営地で弾丸が発見されたことを認め、防衛省に報告されていなかったことは「適切さを欠く行為だった」と述べました。一方で、「PKO5原則が崩れたものではなかったと(隊長が)判断したと思うが、これは適切な判断だったと思う」と支離滅裂な答弁を行いました。
井上氏は「宿営地に着弾が発見されるという事態が起きながら深刻でないと判断し、報告もしなかった。こういうPKOに新しい任務を付与し、隊員の安全の確保ができるのか。現地の人を殺傷するという場合もありうるために極めて重大だ」と強調しました。