2016年3月31日(木)
きょうの潮流
さっそく喜んだのは米国でした。「同盟強化にむけた日本の努力を歓迎する」。安保法の施行を受けた米国務省の声明。地球規模に広がった日米同盟のもとで自衛隊のより積極的な役割を期待してのものです▼呼応するように安倍首相も国会で「日米同盟の絆」をくり返しました。安保法の成立はアメリカの側に立てば当然のことだ、とも。防衛官僚だった柳沢協二さんは「日本が守られるというより、むしろ米国の戦争に組み込まれていく意味の方が大きい」(東京新聞)▼“安保法の目的は違憲との批判を受けてでも対米支援を大幅に強化すること。首相の説明は対米従属という安保法の本質を物語っている”。柳沢さんの指摘は、安保法=戦争法が何のため、誰のためのものかを暴いています▼かつて「軍事同盟は血の同盟」だと口にした安倍首相。自衛隊から犠牲者がでる日米同盟を思い描いてきました。それでこそ同盟に魂が入ると。しかし流されるのは国民の血です▼最近の世論調査でも安保法を評価しない国民は半数近くにも上り、評価するを上回ります。その声を受けて野党が共同提出した戦争法廃止法案を「蒸し返すだけ」と審議もしない自公の与党。廃止すれば日米同盟の絆を損なう、と首相。国民不在もここまで▼陸上自衛隊の配備計画が進む宮古島では、施行日に戦争法廃止を求める署名に列ができました。「誰も殺させない」「安倍政権を倒そう」の怒り新たなコールは国会前をはじめ、全国で。いっそう燃え盛っています。