2016年3月27日(日)
避難範囲の縮小は問題
米原子力艦の災害
井上氏
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日本共産党の井上哲士議員は23日の参院外交防衛委員会で、政府による米原子力艦の原子力災害対策マニュアルの見直し検討作業で避難範囲を縮小する試算が示された問題をただしました。
マニュアルの見直しは、福島第1原発事故後の避難基準の改定で即時避難範囲(PAZ)が半径5キロ、屋内退避(UPZ)が同30キロに拡大されたのを受け、神奈川県横須賀市の市民団体が政府に強く申し入れていたもの。ところが昨年11月から内閣府で検討作業が行われた結果、PAZ0・64キロ(現行1キロ)、UPZ2・8キロ(現行3キロ)と、現行より縮小する試算が示されました。
内閣府の緒方俊則官房審議官は「(原発に比して)規模が小さく炉内の放射性物質が少ない。空母は緊急時の遮蔽のために海水を留めることが可能」などと釈明。井上氏は「メルトダウンなど最悪の事故の想定がされていない。『安全神話』だ」とただしました。
井上氏はさらに、米政府の資料だけに基づいて原子炉の平均出力を15%としていることについて「年間の半分は港内に停泊し原子炉を停止することを考慮すれば、平均は30%とすべきだ」と指摘。原子炉の運転状況について米側に必要な情報開示を求めるよう主張しました。