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2016年3月27日(日)

おおさか維新 改憲前面

大会開催 住民否決の「都」固執

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 おおさか維新の会(代表=松井一郎大阪府知事)は26日、大阪市内で党大会を開きました。改憲を前面に掲げるとともに、住民投票で否決された大阪市解体の「大阪都」構想に再挑戦することを盛り込んだ2016年度活動方針を採択しました。

 あいさつの中で松井代表は、「統治機構改革」「教育無償化」などのために憲法「改正」に取り組むことを表明。「おおさか維新の会」という名前は「地域の名前ではなく、精神的な思いを託した名前だ」と力説。「納税者の声にどうこたえるか」として、「既得権益の打破」「身を切る改革」を繰り返し強調し、「覚悟と決意を共有できなかった方々は去った」と述べました。一方、大阪維新の会所属の地方議員で相次ぐ政務活動費の不正使用については触れませんでした。

 共同代表の片山虎之助参院議員・元総務相は「選挙の年」として、4月の衆院京都3区補選、7月の参院選、あるいは衆参ダブル選に「勝ち抜かねばならない」と檄(げき)を飛ばしました。

 大会では、現在決まっている参院選候補が紹介されるとともに、衆院京都3区補選に出馬する森夏枝氏が決意表明しました。


安倍政権補完 実態が鮮明に

 「憲法改正に積極的に取り組む」。4月24日投票の衆院京都3区補選と、今夏の参院選挙の決起大会となった党大会で、おおさか維新の会は「改憲勢力」として安倍晋三自公政権と歩調を合わせる姿勢を示しました。

 党大会では、参院選の目玉政策として、「統治機構改革」などを掲げた独自の改憲案を正式に決定。「責任改革野党の立場から政権交代を目指す」とアピールしました。しかし、その実態は政権の補完勢力でしかありません。

 「自公で過半数を割れば、どこかと組んでいろんなことをやらなければならない」。松井氏は党大会後、連立政権を念頭にこう述べました。先月24日には参院選について「共産党と民主党に大阪での議席を与えたくない」と表明。自公との対決よりも共産党などとの対決に軸足を置く考えを示しました。松井氏はすでに自公とともに改憲の発議に必要な「3分の2の勢力に入る」と公言しています。

 この間の国会活動でも安倍政権の補完ぶりは鮮明です。

 現金授受疑惑が持たれている甘利明前経済再生相の問題では、疑惑を追及しないだけでなく公聴会で公述人に暴言を浴びせ、野党5党が共同提出した介護職員の処遇改善法案では、政府与党と足並みをそろえて反対しました。

 そもそも、おおさか維新は、今も党の「法律政策顧問」を務める橋下徹前大阪市長が合流と分裂を繰り返し結党した政党です。その主要メンバーのほとんどは元自民党の議員です。

 「自民党ができなかったことをやる。自民党が先延ばしにしていることをやる。民進党は絶対にできないことを示す」。党大会で下地幹郎政調会長はこう叫びました。自民党が「できないこと」を右から引っ張る。それが、おおさか維新の正体です。

 野党の共同にくさびを打ち込み、安倍政権を支えるおおさか維新を少数に追い込むことは、安倍政権の暴走政治そのものに痛打を与えることになります。同時に、野党共同をさらに発展させることにもつながります。

 それだけに、来るべき選挙で安倍政権とその補完勢力である、おおさか維新を少数に追い込むことは待ったなしの課題となっています。(笹川神由)


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