2016年3月23日(水)
困窮し受診遅れ 63人死亡
保険証なしの理由 75%「高い保険料」
昨年1年間 民医連調査
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全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)は22日、お金がなく医療機関への受診が遅れ亡くなった人が2015年に63人にのぼったと発表しました。保険証の取り上げなど保険から遠ざけられた人が53%、無職・非正規雇用が65%など、安倍政権の社会保障・雇用改悪が国民の命を直撃しています。
全国646の加盟病院・診療所を調査したもので、11回目。男性が71%で、65歳未満で無職・非正規雇用は80%にのぼります。
無保険や窓口全額自己負担の資格証明証などになった理由は、75%が「高すぎる保険料」。死因の約6割ががんで、受診して数週間から数カ月で亡くなる事例が多数です。家族にも貧困が広がって支えがなくなり、低賃金の不安定雇用や高すぎる自己負担、自治体の対応の問題などが浮かび上がっています。
岸本啓介事務局長は「63人はほんの一部で全国で起こっている。国民皆保険を守り、医療機関や自治体の体制を強める国の援助が必要だ」と強調。山本淑子事務局次長は「社会保障を自助自立を基本に変質させようとしている」とのべ、保険料・窓口負担軽減や医療・介護・福祉体制の拡充、生活保護の改善や最低賃金引き上げなどを求めました。