2016年3月23日(水)
「クロ現」名指し 異例の「意見」
NHK予算案 総務相、「行政指導」強調
22日、衆院総務委員会で2016年度NHK予算案が自民党などの賛成で可決されました。NHK予算には、高市早苗総務相の「意見」が付けられています。
「意見」はNHK番組「クローズアップ現代」を名指しし、「総務大臣の行政指導を踏まえ、再発防止に向けた取組を引き続き着実に実施」することとしています。
また、国際放送の充実に関し、「我が国の重要な政策及び国際問題に対する公的見解」を「正しく伝えることがこれまで以上に重要になっている」との認識から、「経済交流の発展…等に資するよう国際放送のより一層の充実・強化を図ること」とのべています。
NHKの放送全体にかんする総務相の「意見」で、特定の番組について「行政指導」を持ち出して再発防止を求めることは前代未聞です。これは政権党に不利益な内容の放送をした番組への狙い撃ちにほかなりません。
また、「政府の国際問題政策を伝え、経済的な海外展開の発展に資するようにせよ」というのは、放送の政権からの独立・自律とは相いれないものです。
高市氏は、政治的公平を口実に電波の停止をちらつかせて放送事業者に脅しをかけました。自分の都合のいい内容は思うがままに放送をさせようとするのは、総務大臣の監督責任の重大なはき違えです。