2016年3月19日(土)
愛知県警 「密告」奨励ポスター
まるで戦中「ヒソヒソ話で通報を」
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“ヒソヒソ話や上着が膨らんでいる人を見たら通報を”。愛知県警の啓発ポスターに「まるで戦前・戦中を思わせる」と市民から批判があがっています。
ポスターは、隣県の三重県で開かれる伊勢志摩サミット(5月26、27日)の警備啓発を目的にしたもの。「あなたの協力でテロ防止」と大書され、「おかしいな?と思ったら通報を!」と呼びかけています。
駅構内の壁や掲示板、ホームの柱など、いたるところに貼られ、いやが応でも目に入ります。
県警が「おかしい」ものとして市民に通報を呼びかけているのは、「身を寄せてヒソヒソ話」「上着が異様に膨らんでいる」「見知らぬ人がウロウロ」「変な荷物を持っている」ことなどです。市民の日常の行動を監視対象としているのです。
同県警ホームページ「伊勢志摩サミットを巡る情勢」の中で、昨年のドイツ・エルマウサミットで行われた3万人超の抗議行動を敵視。批判する人を不審人物風に描いたイラストまでつけています。この抗議行動は、米国と欧州連合(EU)が締結を目指していた環大西洋貿易投資連携協定(TTIP)などを反対してのものです。
同時にポスターでは、大きな日の丸と「日本を誇ろう」の文言も入れ、愛国心をあおっています。
テロ防止を口実に、体制批判は許さないという狙いが透けて見えます。市民同士で監視させる、戦前ばりの監視社会を当然視する県警の姿勢が問われます。