2016年3月18日(金)
大学学費10年で半減 奨学金・最賃も抜本改革
志位委員長が会見し提案
日本は世界的にも高い学費でありながら、給費制奨学金制度もない特異な国になっていることをどうするか、貧困と格差の根源となっている低すぎる最低賃金をどうするか――。日本共産党の志位和夫委員長は17日、国会内で記者会見し、これらの問題について「学費・奨学金の抜本改革、最低賃金の抜本引き上げを」と題する提案を発表しました。
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志位氏は、学費と奨学金の異常な実態を示し、「憲法が保障する教育の機会均等が侵され、新たな貧困を生み出しています。この異常な事態を是正することは、日本社会の現在と将来にとって急務です」と力説し、二つの改革を提起しました。
第一は、学費を値下げして、国立も私学も10年間で授業料を半減することです。
国立大では国の運営費交付金を毎年増やし、10年後には現在の約53万円の半分となる26万円へ引き下げる▽私立大では、学費値下げ緊急助成枠をつくって私学助成を引き上げる▽公立大には、授業料を引き下げる大学に補助する制度を創設し、それぞれ10年間で半減させるというものです。
第二は、“学生ローン”ではなく、まともな奨学金に改革し、給費奨学金として月額3万円(年間36万円)を70万人に給付することです。
志位氏は「日本の奨学金制度は、名前は『奨学金』ですが、実態は学生に借金をさせる『学生ローン』です」と述べ、「本当の意味で根本からの転換が必要です」と強調。月額3万円は、現在の貸与額の半分くらいに相当し、70万人は受給者140万人の半分、学生の4人に1人に支給できると述べました。
最低賃金について志位氏は、「いますぐどこでも、1000円にして、1500円をめざす」と述べました。
「若者の運動が『時給1500円以上』を掲げ、抜本引き上げの要求は強いものがあります。時給1500円は、最低限の生活を保障するという点で当然の要求です」と指摘するとともに、「中小企業への直接支援を本格的に行い、最低賃金を引き上げることは、地域経済の活性化にもつながります」と力説しました。
志位氏は「戦争法(安保法制)廃止などとあわせて、一緒に運動を起こして実現をはかろうと呼びかけていきたい」と表明しました。