2016年3月16日(水)
プロ野球 選手間の現金授受は賭博行為
八百長の温床 全容解明を
プロ野球巨人以外の球団でも自チーム公式戦にからんだ選手間の現金授受が明るみに出たことは、問題の根深さを示しています。
日本野球機構(NPB)は昨年10月に発覚した巨人3投手の野球賭博を調査した時点で、今回の現金授受も把握していました。しかし掛け金が少額だったため不問にしました。巨人側は「賭け行為ではなく験担ぎ」などと強調しています。
両者の認識は甘いと言わざるを得ません。選手間のこうしたお金のやりとりは明確な賭博行為です。これが日常的に行われることでモラルの低下を招き、野球賭博、ひいては八百長(敗退行為)の温床になりかねません。
実際、NPBの調査報告書(昨年11月)によると、巨人の2軍球場のロッカールームでは処分された3投手を含む10人以上の選手が頻繁に賭けトランプをするなど、金銭を賭けた遊びが珍しくありませんでした。
NPBは今回の現金授受を軽視せず、早急に、徹底的に全球団を調査する必要があります。野球賭博問題も含め、全容解明がなければファンの不信感は拭えません。
プロ野球選手は子どもたちの憧れであり、社会的にも敬意を払われています。選手は高次元のプレーを見せるだけでなく、社会生活や振る舞いでもフェアな精神を発揮すべき存在だからです。このことを自覚的に見つめ直すことができるか、改めて問われています。
(佐藤恭輔)