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2016年3月16日(水)

ソニー 深夜割増賃金を明記

裁量労働制の規定見直し

労組、長時間労働是正求める

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 裁量労働制の運用に労働基準法違反の疑いがあるとして、ソニーが仙台労働基準監督署から文書指導などを受けていた問題で、4月から社内規定を改定し、これまで不明瞭だった深夜割増賃金の扱いを明記したことが15日までに分かりました。新たな規定は、長時間労働の固定化につながる恐れがあるため、ソニー労働組合(電機連合加盟)は、長時間労働是正の取り組みをすすめるとしています。

 裁量労働制は、実際の時間に応じた残業代が支払われません。しかし、深夜労働(午後10時〜翌日午前5時)や休日労働については、別途、割増賃金が必要です。ソニーでは時間に応じて深夜労働割増賃金(基本給を時給換算した25%)が支払われていませんでした。ソニー労組仙台支部が労働局に調査・指導を要請していました。

 ソニーで4月から改定される規定では、深夜労働割増賃金を明記し、あらかじめ月40時間分を支給するとしています。しかし、月40時間の深夜労働を実際に行えば、午後10時〜午前0時までの労働を20日間も行う計算となり、終業時刻が午後5時の仙台工場では、毎日7時間、月140時間以上の残業をする計算になります。「過労死ライン」月80時間をはるかに超えます。

 ソニーは本紙に対し「40時間の深夜労働を前提とはしていない。過度な勤務は抑制していく」と答えています。

 ソニー労組仙台支部の松田隆明委員長は、「長時間労働の是正と、安倍政権の狙う『残業代ゼロ』制度を許さないため、運動をつくっていきたい」と話しています。


 裁量労働制 業務遂行の手段や方法、時間配分などを大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務について、労使協定であらかじめ定めた時間だけ働いたものとみなす制度です。例えば、みなし時間を1日8時間とすれば、実際に9時間、10時間働いても残業代は出ません。深夜(午後10時〜翌日午前5時)と休日の割増賃金については時間に応じて支払わなければなりません。


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