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2016年3月15日(火)

最賃増額なら生活向上

米NY州試算 “15ドル”で316万人に影響

大学教授ら発表

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 【ワシントン=洞口昇幸】米ニューヨーク州の最低賃金が時給15ドル(約1706円)に引き上げられれば、低賃金労働者など316万人の所得増と生活向上を生み、大量解雇など雇用や経済への大きな影響はないとする専門家らの報告書が発表されました。カリフォルニア大学バークリー校のマイケル・ライヒ教授らが今月、発表しました。

 ニューヨーク州のクオモ知事(民主党)が提案した計画によれば、州の最低賃金を現行の時給9ドル(約1024円)から段階的に引き上げ、ニューヨーク市は2018年に、他の地域は21年に最低賃金を時給15ドルにします。米メディアは、この計画が数週間以内に州議会で採決される可能性があると報じています。

 ライヒ教授らの報告書によると、21年までの最低賃金引き上げによって、316万人の年収が昨年比で23・4%増にあたる平均4900ドル(約55万8000円)増になると試算。「州の労働人口の3分の1以上に、生活水準の大幅な改善がもたらされる」としています。

 報告書は雇用者側の影響も検証。最低賃金引き上げによる人件費増は、平均3・3%にとどまるとしています。

 人件費の増えた分は、賃上げ効果による従業員の定着や生産性の向上などで一部相殺されるとしています。相殺されない分については、経営者側が21年まで商品価格に年間0・02%ずつ上乗せしていくと想定。商品価格が上がれば消費減退と労働需要の減少が予想されますが、所得の増えた労働者の購買力の向上と、商品の売り上げ増に伴う労働需要増も生まれ、雇用率は上がっていくとしています。


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