2016年3月14日(月)
労働時間定めぬ契約禁止
ニュージーランド 4月から新法施行
ニュージーランド議会(一院制)はこのほど、労働時間を定めない労働契約(通称「ゼロ時間契約」)を禁止する法律を可決し、4月1日から施行されます。雇用者が思うままに労働者を働かせることができるため、ゼロ時間契約は英国や米国などの主にサービス業で導入されています。野党・労働党のリーズギャロウェー議員によると、法律で禁止するのは先進国でニュージーランドが初めてです。
ゼロ時間契約では、労使間で労働時間を定めず、雇用者はいつでも必要な時に労働者を呼び出して、働かせることができます。一方、労働者は賃金や手当の支払われない待機時間を強いられる上、生活に必要な賃金を得られる労働時間が確保されない恐れがあり、搾取強化だとの批判があります。
施行される禁止法は、労使双方に対し、労働契約に週当たりの最低労働時間を明記することなどを義務付けています。
ニュージーランドではファストフード店や警備会社、清掃会社などでゼロ時間契約が横行。ナショナルセンターのニュージーランド労働組合評議会(NZCTU)は禁止を求めてきました。テレビの報道番組が昨年、この問題を取り上げて全国的な反響を呼び、運動に弾みがつきました。
禁止法について、ウッドハウス労使・労災問題担当相は10日、「公正で生産的な職場づくりを促すよう雇用法の枠組みを改善するという政府の約束を果たすもの」と表明。NZCTUのワグスタッフ議長は禁止法を求めてきた組合員の努力を称え、「今日の勝利は彼らの勝利であり、われわれすべての勝利だ」と述べました。
(山崎伸治)