2016年3月14日(月)

過労運転防止へ法制化

衆院国交委　本村議員が要求

（写真）質問する本村伸子議員＝９日、衆院国交委

　日本共産党の本村伸子議員は９日の衆院国土交通委員会で、軽井沢スキーバス事故の背景にある安全軽視の規制緩和策を批判し、安全運行のための参入規制と労働規制の強化を求めました。

　事故を起こした運転手は大型バスの運転に不慣れで非正規雇用でした。本村氏が貸し切りバス会社の賃金・雇用形態などの労働実態調査を求めたのに対し、国交省の藤井直樹自動車局長は「可能なものについては調査ができるところを検討していきたい」と述べました。

　本村氏が過労運転の防止などバス運転手の安全運行を事業者に確保させる担保をただすと、藤井局長は「運転者の勤務時間を定めた改善基準告示の遵守が重要だ」と述べました。

　本村氏は、長野地裁で観光バスの運転手の過労死を認める判決が下された事例では、週９０時間超の拘束時間など多くの同告示違反があったと告発。この裁判で国が控訴していることを厳しく批判しました。石井啓一国交相は「裁判の事例も改善基準告示が守られていない事例だった」との認識を示しました。

　本村氏は、罰則がないといった改善基準告示の問題点を指摘。飲酒運転と同様の危険が指摘されている睡眠不全についても、「寝てないなら、乗るな、乗せるな」と厳しく対応すべきだと主張し、同告示に睡眠時間の確保を盛り込むなどの改善と法制化の検討を求めました。

　事業者が安全を確保できるかを審査するなどの参入規制・事前チェックのあり方について石井氏は「検討委員会で総合的に検討を行う」と答弁しました。