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2016年3月14日(月)

きょうの潮流

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 卒業式の時期です。ここまでの成長を喜びながら、わが子の背中を見つめる親。別れの悲しみ、旅立ちへの希望や不安を抱えながら、前を向く子。ともに悲喜こもごもの思いがあふれます▼もし、その場に子どもの姿はなく、親だけが参列したら…。誤った進路指導で3年の男子生徒が自殺した広島県の中学校。そこで卒業式があり、見守る子を亡くした両親も出席し、同級生の友人が遺影を抱えて式典に臨みました▼この生徒は昨年11月、1年のときに万引きをしたという誤認記録を担任から持ち出され、志望校には推薦できないといわれました。名前を間違えて記載されたまま保存されていたこともあまりにもずさんですが、なぜ、それを十分に確認しなかったのか▼学校の調査によると、本人との面談はいずれも廊下で短い時間の立ち話。これでは言いたいことも言えなかったのでしょう。実際、本人は「どうせ言っても先生は聞いてくれない」と親に話していました▼先生と生徒の信頼関係、先生同士の連携、進路指導のあり方。背景から見えてくるものは多い。さらに厳罰主義、行き過ぎた管理や競争、教職員の長時間過密労働という、日本の教育のひずみとも深くかかわっています▼主人公のいない卒業証書の授与。亡き生徒の名前が読み上げられると、同じクラス全員で「はい」と答えたそうです。門出の春を前に、みずから死を選ばなくてはならなかった15歳の苦衷。教育とはどうあるべきか、すべての関係者に問いただしています。


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