2016年3月13日(日)
自家用車での相乗り緩和
白タク規制の崩壊
辰巳議員追及
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日本共産党の辰巳孝太郎参院議員は10日の国土交通委員会で、国家戦略特別区域諮問会議が大都市で自家用車でのライドシェア(相乗り)などタクシー業界への規制緩和の動きを強めている問題を取り上げました。2日に提案した「国家戦略特区における追加の規制改革事項等について」で「過疎地域等での自家用車の活用拡大」としている問題で、事実上「規制撤廃になる」と追及しました。
現行では一般ドライバーが自家用車で客を有料で送迎すること(白タク行為)は道路運送法で禁止され、ライドシェアもその一種であることを国交省も認めています。
例外的なのが「自家用有償旅客運送」制度。過疎地域でバスやタクシーの利用が困難な地域住民の生活に必要な輸送を確保するために自家用車の使用を認める制度です。政府は、この「自家用」制度を訪日外国人をはじめとする「観光客」の輸送需要に対応する新たな制度として広げるとしています。
辰巳氏は、同制度の対象を誰でもいいように広げ、大都市部でも活用できるようにし、意思決定については、同制度の運営協議会ではなく国家戦略特別区域会議が、運送の区域や実施主体をも決定することになることを明らかにしました。「ライドシェアの解禁だ」との指摘に、石井啓一国交相は「自家用有償旅客運送制度を拡充するものでライドシェアとは違う」と強弁。辰巳氏は「規制緩和どころか規制崩壊ではないか」と批判しました。
15人が亡くなった1月15日の軽井沢バス転落事故について、石井氏が「遺憾」としたことに、辰巳氏は「遺憾には自らに責任はないとの意味が含まれている。規制緩和で起こった事故であり反省を国交相としてすべきだ」と迫りました。