2016年3月10日(木)
「10%超増税準備か」「軽減税率」
小池氏 不公平税制是正迫る
参院本会議
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大企業優遇の法人税減税や、消費税10%増税を前提にした「軽減税率」制度導入を柱とする所得税法等改定案が9日、参院本会議で審議入りしました。日本共産党の小池晃議員が質問に立ちました。
小池氏は、安倍晋三首相が3日の参院予算委員会で、8%への消費税増税による家計消費や経済への影響について「予想以上に落ち込み、予想以上に長引いている」とし、これまでの「一時的な影響」としてきた首相の見通しの誤りを認めたことを指摘し、改めて増税の責任をただしました。首相は「引き上げが消費に大きな影響を与えたのは事実」と述べました。
小池氏は、「軽減税率」導入について、公明党の斉藤鉄夫税調会長が「将来、消費税率は13〜15%…そのときでも食べ物は8%に据え置かれる」「そのときに初めて軽減税率の意味が出てくる」と述べ、財務省大臣官房審議官も「(軽減税率導入によって税率を)上げる決断をする政権はやりやすくなるだろう」と表明していることを指摘しました。
小池氏は、「今回の『軽減税率』導入は10%を超えるさらなる消費税増税のための準備なのか」と指摘し、「直ちに10%増税中止の決断をすべきだ」と迫りました。
小池氏は、安倍政権3年間で法人実効税率が37%から32・11%に下げられ、大企業の内部留保や株主への配当総額が増えたものの、実体経済や家計には回っていない問題を追及しました。2014年度の研究開発減税額の8割を資本金100億円を超える大企業が占めていることを批判し、「中堅企業や中小企業が外形標準課税の課税強化、消費税増税で苦しむ中、史上最高の利益を上げ続ける大企業に減税をばらまく。こうしたやり方のどこに道理があるのか」と述べ、不公平税制を改めることを求めました。
首相は「(研究開発減税は)引き続きさまざまな観点から取り扱い数を検討していく」と述べました。