2016年3月6日(日)
福島切り捨て許さない
革新懇が視察、被災者と懇談
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全国革新懇と福島県革新懇は5日、シンポジウム「原発ゼロをめざして今、福島から」(6日、二本松市)の開催に先立って、東京電力福島第1原発周辺自治体を訪れ、被災者と懇談しました。
福島県革新懇世話人の亀田俊英さん(67)が案内し、「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ」福島原発訴訟の中島孝団長からも実態を聞きました。
飯舘村や南相馬市、浪江町では、“ゴーストタウン”化した市街地や津波被害を受けた沿岸部を視察。道路わきには汚染土の入った黒い袋が大量に野積みにされていました。
原発周辺自治体では放射線量が高い順に「帰還困難地域」など三つの避難指示区域が設定されています。
福島第1原発事故で南相馬市の自宅を追われ、郡山市の借り上げアパートで暮らす亀田さんは「国は私の自宅がある旧小高町の避難指示解除準備区域を4月にも解除しようとしています。しかし、元の生活に戻れる状況ではないし、先日も農家が自ら命を絶ちました。放射線量についても不安でいっぱいです。こんな状態なのに賠償や支援打ち切り、原発再稼働など許せません」と話しました。
中島団長は「国がやろうとしているのは福島の切り捨てであり、国民の命を守る責任を投げ捨てることです。全国の人々と力をあわせて国民の命と権利を守る反撃を広げていきたい」と強調しました。
参加した大阪革新懇世話人の井筒百子さんは「原発事故は生業や美しい山河だけでなく、住民が生きてきた歴史、未来も奪う人類への犯罪だと感じました。福島第1原発事故を決して忘れないで、被災者支援、原発ゼロを求めて粘り強く活動していきたい」と語りました。