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2016年3月1日(火)

衆院定数削減に根拠なし

塩川議員追及 小選挙区制は廃止を

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(写真)質問する塩川鉄也議員=29日、衆院予算委

 日本共産党の塩川鉄也議員は29日の衆院予算委員会で、衆院議員の定数を削減する根拠が何もないことを明らかにし、「国民の参政権を侵害するものだ」と批判しました。民意をゆがめる小選挙区制は廃止し、民意を反映した選挙制度への抜本改革を提案しました。

 塩川氏は、主要各国の国会議員数(下院)をみても、人口10万人当たり1人程度であること、日本でも男子普通選挙実施時の定数466の根拠が「人口12万人につき議員1人を配当する」(若槻礼次郎内務大臣、提案理由説明)と定められていたことを指摘。「現在の衆院議員の定数が日本の選挙制度の歴史からみても多いとはいえない」と述べ、人口10万人当たりの衆院議員数の推移(パネル)を示しました。

 同パネルで、1890年の高額納税者に限った制限選挙実施時から1925年の男子普通選挙時まで、人口10万人当たり衆院議員数は0・8人前後で推移していたことを明示。その後は人口も増え、選挙権拡大で有権者数が増えたにもかかわらず議員定数が減らされたため、現在では人口10万人当たりの衆院議員数は0・4人を切っています。

 1月に提出された衆院選挙制度調査会の答申も、議員定数について「国際比較や過去の経緯などからすると多いとはいえず、削減する積極的な理由や理論的根拠は見出しがたい」と結論づけています。塩川氏は「調査会の結論は、定数を削減する根拠はないということだ」とただしました。さらに塩川氏は、普通選挙・女性参政権へと拡大してきたのは、国民のたゆまぬ運動があったからだと指摘しました。

 安倍晋三首相は、選挙権獲得の歴史を踏まえて、「民主主義を支える重要な権利」と述べ、議員定数削減の根拠がないことを認めました。そのうえで、「消費税を引き上げていくことにかんがみ、われわれも『身を切る改革』をしなければならない」と弁明しました。

 塩川氏は、そもそも定数削減は民主党・野田政権時代に、「国民の皆さんに消費税増税をお願いする以上、政治家も『身を切る改革』が必要だ」として、消費税増税を国民に押し付けることと一体で持ち出されたものだと指摘。河野洋平元衆院議長が、そのことについて「定数削減で切られるのは、有権者の権利だ」(「読売」14日付)と批判していることもあげ、「消費税増税を押し付けた上に、国民・有権者の権利を侵害する議員定数削減など、二重に許しがたい」と強調しました。

 塩川氏は、国民の声が、国会に反映しないのは、小選挙区制によって4割台の得票で7割台の議席を得るという、民意をゆがめる問題点を示し、「小選挙制はきっぱりと廃止して、民意が反映する選挙区制度への抜本的改革が強く求められる」と強調しました。

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