2016年2月28日(日)
谷垣自民党幹事長「自主憲法つくる」
9条明文改憲・緊急事態条項に言及
自民党の谷垣禎一幹事長は27日に出演したBS朝日の番組で「マッカーサーの占領下で憲法をつくったのはおかしい。自主憲法をつくる必要がある」と発言するなど明文改憲が必要との認識を示しました。有事に国民の人権を停止し、首相に権力を集中する「緊急事態条項」にも言及しました。
番組で谷垣氏は、自民党の改憲草案が、憲法9条を改定して自衛隊を「国防軍」に位置づけようとしていることなどを念頭に、「(公布から)70年たつと憲法が、現状に合わないところがかなり出てきている」「(9条を)変えたほうがよいと思う」と述べました。
「緊急事態条項」について谷垣氏は、阪神・淡路大震災や東日本大震災などを口実にして、「非常事態に国家がどういう権限を発動できるか憲法で書くべきだ」と主張。災害対策は「緊急事態条項」がなくても「法整備」などで可能だと指摘されると、「そういう議論が何を狙っているか。憲法『改正』に踏み込みたくない考えで言っている方もいる」と決めつけました。
自民党・改憲草案は「緊急事態条項」について「外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱」などの「緊急事態」において、総理大臣が「緊急事態」を宣言したうえで、内閣が法律と同一の効力を持つ政令を制定できるとして、国会の判断なしに人権制限も可能としています。また「何人も…国その他公の機関の指示に従わなければならない」と明記しています。
これに対して憲法学者などからは、憲法の効力を停止し、戦争法のもとで「戦争する国づくり」を進めるため、情報や物資を統制し、国民動員の体制をつくるものだとの批判が上がっています。