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2016年2月28日(日)

水俣病 忘れるなかれ 患者ら現状切々

公式確認60年 熊本でシンポ

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(写真)水俣病被害の現状や全体像について議論が交わされたシンポジウム=27日、熊本県水俣市

 「水俣病事件60年を問うシンポジウム」(第1回)が27日、熊本県水俣市で開かれました。被害者や支援団体などでつくる水俣病公式確認60年実行委員会の主催。公式確認から60年を振り返り、加害者の責任などを3回に分けて問い直すもので、初回は被害の現状と全体像をどうとらえるかをテーマに提言や議論が行われました。

 上村好男実行委代表は、将来不安を抱える胎児性患者の現状などにふれ、「60年という節目で水俣病を忘却するようなことがあってはならない」と述べました。

 水俣病特有の症状を抱えながら水俣病患者と行政認定されない5人の被害者が訴え、水俣病不知火(しらぬい)患者会の大石利生会長は、車の事故でガラスの破片が足の裏から甲まで突き抜ける重傷を負いながら、感覚が鈍くなる水俣病のせいで全く痛みを感じなかったことなどを証言。水俣病被害者互助会の佐藤英樹会長は、国と県が原因企業のチッソを守ろうとして、被害を小さくするため、60年たってなお被害の調査・研究に全く手を付けようとしない姿勢を厳しく告発しました。

 救済策に申請するも対象地域外として切り捨てられた村上文枝さん(86)=鹿児島県伊佐市=は、鉄道によって伊佐市の山間部まで流通していた水俣の魚を食べ、障害に苦しんできたいきさつを語り、「生きているうちに救済してほしい」と切々、語りました。

 救済対象の地域外に被害はないと言い張る国や県に対し、地域外にも多くの被害者が存在する事実を集団検診によって明らかにしてきた高岡滋医師は、環境被害と健康被害の全ぼうを明らかにすべき行政の責任を強調。岡山大学大学院環境生命科学研究科の頼藤貴志准教授は、母親の胎内で低・中濃度の水銀汚染にさらされた場合の影響など、これまで未解明だった被害の広がりについて研究の成果を報告しました。


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