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2016年2月24日(水)

バス事故なぜ?

所得低下・長時間労働・非正規化…

規制緩和 運転手脅かす

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 日本共産党の清水忠史衆院議員は22日の予算委員会で、大学生ら15人が亡くなった長野県軽井沢スキーバス事故をとりあげ、安全軽視の原因となった政府の規制緩和路線を追及するとともに、参入規制の強化、労働者の労働環境の改善など、人命が最優先にされるバス事業の規制強化を求めました。


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(写真)質問する清水忠史議員=22日、衆院予算委

清水議員“規制強化こそ”

 政府は、貸し切りバスの重大事故が起こるたびに、再発防止を口にし、7人の死者を出した2012年の関越道バス事故後も、「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」との再発防止策をまとめていました。

 ところが「プラン」では、「安全確保に問題のある事業者の参入防止」、「悪質な事業者は、市場から退出させる」としていながら、「事故を起こした(バス会社の)ESPが、バス事業の許可を受けたのはいつか」との清水氏の質問に、石井啓一国交相は、「平成26(2014)年4月18日」と答弁。「プラン」実施後に参入していたことが明らかになりました。

排除できない

 さらに清水氏は、関越事故後、許可が取り消された事業者が3件しかないこと、ESPの33件もの法令違反も事故後の特別監査で明らかになったことを指摘し、「『プラン』では、ESPの参入を防ぐことはできなかった。重大事故が起こらなければ悪質な業者を排除できない仕組みだ。事後チェックでは事故はなくせない」と批判しました。

 清水氏は、「こうした事故がなぜ繰り返されるのか」として、2000年の規制緩和によって、貸し切りバス事業者が倍加する一方、輸送人員数は微増にとどまり、過当競争が激化していることを指摘。そのしわ寄せがバス運転手に押し付けられていることを、規制緩和後、低下する所得や他の労働者より年300時間も長い労働時間の実態で明らかにし、「これらが安全運行の軽視と法令違反を繰り返す構造的な要因ではないか」と追及。「規制緩和でサービスは多様化した」と、規制緩和に無反省な答弁を繰り返す石井大臣に清水氏は、「市場競争の原理を公共交通に持ち込んだことが最大の問題。その反省抜きに再発防止策は出てこない」と批判しました。

 過労死ライン さらに清水氏は、バス運転手の正社員割合が減少し、非正規化が進んでいることを明らかにするとともに、運転手の健康状態に起因する重大事故が増加し、過労死等認定件数が、全就業者の3割以上を占めていることを告発。その大本には、過労死ラインを超える残業を認めている「自動車運転者の労働時間の改善基準」(改善基準告示)があると指摘し、改善を要求する労働者の声を紹介しながら、告示の法制化など見直しを求めました。

 塩崎恭久厚労相は、「法定化は難しい」「告示の周知徹底に努める」としか答弁せず、見直しに背を向ける姿勢に終始。清水氏は、「全く本気度がうかがえない」と批判し、告示の法制化等、実効ある対策を求めました。

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