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2016年2月18日(木)

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長期金利が下がる仕組みは?

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 国債が値上がりすると長期金利が下がるとはどういうことでしょうか。(読者)


国債の値上がりで下落

 長期金利は満期まで10年の国債の利回りが指標になっています。利回りとは、金融商品によるもうけ(投資収益)がその金融商品を買ったときの金額(投資元本)に対してどのくらいの比率になるかを年率で示したものです。

 国債は満期になると、額面金額が償還されます。仮に満期まで10年、利率が年2%、額面金額100円の国債を考えると、10年間、毎年2円の利息が付き、10年後に100円が返ってきます。

 この国債を額面通り100円で買えば、10年後に100円が償還されるので、ここで損得はありません。1年当たり2円の利息が付くので利回りは年2%です。

 ただ、実際には金融機関などが国債を売買するので、国債価格は市場の動向によって価格が変動します。

 額面100円の国債が105円に値上がりしたものを買えば、償還時に戻る100円との差額5円を損することになります。これを「キャピタル・ロス」(資本損失)と言います。逆にこの国債が95円に値下がりしたときに買えば、償還時との差額5円を得することになります。これは「キャピタル・ゲイン」(資本利得)と呼ばれます。国債の利回りは、利息収入と「キャピタル・ゲイン」「キャピタル・ロス」を合わせて計算します。

 満期まで10年、利率2%、額面金額100円の国債が105円に値上がりしたときに買ったとします。利息は額面金額で計算されるので年2円です。そして10年後に償還で得られるのは額面金額の100円です。10年間に5円の損をすることになります。1年当たり0・5円の損失です。したがって1年当たりの収益は、利息2円から損失0・5円を引いて1・5円。105円投資して収益が年1・5円なので利回りは1・4%です。

 逆にこの国債が95円に値下がりしたものを買ったとします。10年後に100円が償還されるので、利息収入のほかに10年間で5円の値上がり益を得ることになります。1年当たり0・5円の得です。この場合、1年当たりの収益は利息2円に値上がり益0・5円を足して2・5円となります。95円投資して収益が年2・5円なので利回りは2・6%です。

 このように国債が値上がりすれば利回りが下がり、値下がりすれば利回りが上がります。

 (2016・2・18)

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