2016年2月16日(火)
鞆の浦埋め立て撤回
広島県 「住民勝訴」で裁判終結
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広島県福山市鞆(とも)町の景勝地「鞆の浦」の景観を破壊する鞆港埋め立て・架橋計画をめぐる裁判は15日、広島高裁で、被告の県が埋め立て免許認可の申請を取り下げ、地元住民も訴えを取り下げ、終結しました。
この裁判は、地元住民163人が2007年4月に提訴。一審の広島地裁は09年10月、「鞆の景観は国民の財産」として免許差し止めを命じました。県は控訴しましたが、その後に就任した湯崎英彦知事が住民協議会で議論を重ねて12年6月、計画の撤回を表明していました。県の計画は1983年の策定から32年余りを経て、終止符が打たれました。
この日、原告側の報告集会には約50人が参加し、水野武夫弁護団長は「住民側の全面勝訴だ」と解説。原告団の松居秀子事務局長は「裁判の終結に安堵(あんど)することなく、今後とも地裁判決をふまえて鞆の浦の文化的、歴史的景観を維持・発展させるための運動を継続していく」との声明文を読み上げました。