2016年2月16日(火)
損害賠償 責任果たせ
福島事故 高橋氏が東電追及
衆院予算委
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日本共産党の高橋千鶴子議員は15日の衆院予算委員会で、福島第1原発事故の被災者に寄りそった賠償に背を向けている東京電力の姿勢を厳しく批判し、被害の実態などに応じた支援・賠償を強く求めました。
高橋氏は、「帰還困難区域」が町総面積の8割以上を占める福島県浪江町で住民1万6千人が慰謝料増額を求めた申し立てについて、東電が要求よりかなり少なめの原子力損害賠償紛争解決センター(ADRセンター)の和解案さえ拒否し続けている問題を追及。申し立てから3年近い歳月がたち440人以上の町民が亡くなっていること、家族すら全国にバラバラになっている現状を切々と訴えました。
東電が▽被害者の方々によりそい賠償を貫徹する、▽和解仲介案を尊重する―などと宣言した「三つの誓い」を示した高橋氏。「この誓いは変わったのか」と迫ると、広瀬直己・東電社長は「一律に増額するのは受け入れがたい」と述べ、被災者の願いに背を向けました。
高橋氏は「浪江町に限った問題ではない」と強調し、東電を批判するADRや国の原子力損害賠償紛争審査会(原賠審)での議論を次々に示しました。
ADRは、東電による和解案の受諾拒否は「誠に遺憾であり、強く再考を求める」と所見で明記。原賠審の委員は、賠償指針を口実にして増額を拒否した東電に対し、「指針はあくまで目安で、明記されていない損害でも東電は合理的かつ柔軟な対応が求められる」と批判しています。
高橋氏は、東電が賠償の前提に「相当因果関係」や「合理的な範囲内」を持ち出していることをあげ、「加害者の東電が、賠償すべき根拠の有無をジャッジ(判定)するのは逆立ちだ」と批判すると、広瀬社長は「個々の事情に配慮して、丁寧な対応に心掛けたい」などと言い訳しました。
高橋氏は、ADR和解案の尊重を重ねて要求。林幹雄経済産業相は「東電が最後まで賠償責任を果たすのは大前提。丁寧な対応を求め、それを注視したい」と答えました。(関連記事)(関連記事)
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