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2016年2月13日(土)

パリ協定実践に懸念

温室ガス排出規制差し止め

米最高裁判断 環境団体など批判

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 【ワシントン=島田峰隆】米最高裁が9日、火力発電所に対する温室効果ガス排出規制の導入を一時的に差し止める判断を示したことで、昨年12月にまとまった世界の温室効果ガス削減の新合意「パリ協定」の実践に悪影響が及ぶことが懸念されています。環境団体は判断を批判し、規制導入を遅らせないよう求めています。

 最高裁が導入を差し止めたのは、オバマ米政権が地球温暖化対策の柱に据える二酸化炭素排出規制「クリーン・パワー計画」。国内の火力発電所からの温室効果ガスの排出を削減する内容で、パリ協定で米国が掲げた削減目標を実践する上で重要な計画です。規制の合法性をめぐる裁判が続く間、実施されません。

 米国は世界第2位の温室効果ガス排出国で、先進国として温暖化に歴史的に責任を負っています。米紙ニューヨーク・タイムズは11日の社説で「最高裁の判断は、パリ協定での約束を実行する米国の能力や、指導力を発揮する意思に重大な疑問を抱かせる」と指摘しました。

 同紙によると排出量第1位の中国やインドでは、今回の判断が途上国などで不信感を広げる可能性があると懸念する声が出ています。インドの専門家は同紙に「もし米最高裁が、規制が最初からうまくできないと言うのなら、各国間の信頼は全く消えてしまう」「パリ協定を解体するものになりうる」と強調しました。

 国際環境NGO「350.org」のジェーミー・ヘン氏は10日、「未来ではなく過去に目を向けた判断」であり「化石燃料を使う産業を代表した判断だ」と批判。「米国民の大多数は気候変動対策を支持しており、勢いがあるのはわれわれの側だ」として規制の実施を求めました。

 米キニアピック大学による昨年12月の世論調査で、「次期米大統領に気候変動対策をとってほしい」と答えた人は69%、「とらなくてよい」とした人は23%でした。


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