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2016年2月12日(金)

新国立劇場 争議が解決

ユニオンと協議、改善に努力

報告集会開く

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(写真)花束を受け取る八重樫さん(右)=10日夜、東京都内

 オペラ公演を行う新国立劇場が、合唱団員の八重樫(やえがし)節子さんとの契約を打ち切り、日本音楽家ユニオンとの団体交渉を拒否した問題で紛争終結の和解協定が結ばれ、10日夜、東京都内で争議解決報告集会が行われました。

 新国立劇場の合唱団員は1年ごとの契約更新です。八重樫さんが地位と労働条件の向上をめざして意見表明したところ、2003年2月に契約を打ち切られ、音楽ユニオンを通じた団体交渉申し入れも、劇場運営財団が“団員は労働者ではない”と拒否して争議になりました。

 東京地裁と東京高裁は、合唱団員が労働組合法上の労働者であることを否定しましたが、11年4月、最高裁で合唱団員の労働者性を認める逆転判決を勝ち取りました。

 同時期に業務委託労働者や個人事業主の労働者性を認めさせた建交労INAXメンテナンス事件とJMIU(現JMITU)ビクターアフターサービス事件と並んで、重要な最高裁判例となっています。

 八重樫さんの職場復帰はかないませんでしたが、昨年12月24日に結ばれた財団と音楽ユニオンの和解協定では、▽財団は団交の機会を長きにわたり失したことについて遺憾の意を表明する▽(団員の契約更新を判断する)試聴会システムについてユニオンと協議し改善に努力する▽財団とユニオンは今後とも職場環境の改善に努力する―と、今後は団交に応じるものになっています。

 報告集会で、争議支援共闘会議議長の新崎盛吾・日本マスコミ文化情報労組会議議長は、「判決が出てから、協議がすすみませんでしたが、和解を実現し、うれしく思います」とあいさつしました。

 宮里邦雄弁護士は、「音楽にたずさわる労働者の地位、権利確立に意義あるたたかいでした。世界の音楽家と協力し、オペラ団員は労働者だというのが国際常識だと明らかにしたことが重要でした」と強調しました。

 花束を受け取った八重樫さんは、「支援のおかげで、足かけ13年たたかい続けられました」とお礼を述べました。


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