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2016年2月12日(金)

論戦ハイライト

国立大学の交付金削減 学費値上げにつながる

衆院予算委 畑野議員が追及

経済団体も「地域の衰退に直結」

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(写真)質問する畑野君枝議員=10日、衆院予算委

 10日の衆院予算委員会で、国立大学の運営費交付金削減問題をとりあげた日本共産党の畑野君枝議員。国立大学の学費値上げにつながる交付金削減を推進していく政府の姿勢が明らかになりました。

悲鳴が相次ぐ

 国立大学の収入の中心を占める運営費交付金は、国立大学の法人化以降、12年間で12%、1470億円も大幅削減されています。さらに財務省が昨年10月の財政制度等審議会(財政審)で、「運営費交付金を毎年1%減少させ、自己収入を毎年1・6%増加させることが必要」との提案を行ったことに対して、全国36の国立大学の学長や経営協議会学外委員から声明が発表され、「壊滅的な機能不全に陥る」と批判の声があがっています。

 安倍晋三首相の地元山口県では、経済同友会、中小企業団体中央会など県内経済団体が「運営費交付金の削減による地域の基幹大学の衰退は、地域経済の衰退に直結する重大事」と予算の拡充を求める声明を出しました。

 畑野氏は、全国の大学関係者や地域をあげた反対の声で、16年度の運営費交付金の総額は予算案では前年度と同額に据え置きになったと指摘。「問題なのは今後、どうしようとしているかだ」とただしました。

 畑野 17年度以降の運営費交付金の削減を検討しているということか。

 麻生太郎財務相 運営費交付金を適正化して再配分するルールの導入とあわせて、自主財源の目標を設定して、経営力の強化と自立性の確保を向上させる。

 畑野 運営費交付金を削減するという話を認めた。重大な答弁だ。

 答弁で、運営費交付金を削減する新たな仕組みが導入されることが明らかになりました。

 新潟大学では運営費交付金の減少に対応するため、教員の昇任や退職者の補充の凍結などで人件費を抑制する措置を決定。学長は「教員の給料や教育、研究の質を下げないための苦渋の判断だ」としています。

 昨年10月の財政審での財務省提案に基づいて自己収入増をすべて授業料で賄うとしたら、「15年間で約40万円の増、約93万円の授業料になるという試算は文科省が示したものだ」とただすと、馳浩文部科学相は同省がそのように答弁したことは事実だと認めました。

抜本的増額を

 昨年11月の財政審「建議」は「自己収入構造を考える際、授業料引き上げについても一定の議論が必要である」と書いています。

 畑野 自己収入増のためには授業料引き上げも行えということになる。

 財務相 国立大学も聖域化せず、運営費交付金の適正化を行うことが重要。運営費交付金への依存を減らし、多様な収入源の確保によって経営していく力を強化していくことが必要だ。

 畑野 運営費交付金を削って自己収入で賄えという方針だ。結局、授業料引き上げにつながる。

 畑野氏は、子どもの大学、高校受験のため一生懸命働く親を心配する学生の声を紹介し迫りました。

 畑野 国立大学運営費交付金の削減方針をやめ、削減してきた交付金を元に戻すべきだ。

 首相 収入を増やす努力を後押しする意味も含め、交付金の改革を進めていきたい。

 結局、運営交付金を将来にわたって削減しないとは言わなかった首相に対し畑野氏は、「学費が高いうえに、給付型奨学金もないのはOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも日本だけだ。経済格差が教育格差につながる状況は放置できない」とのべ、教育予算抜本的増額へ政治の転換を求めました。

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