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2016年2月9日(火)

主張

企業・団体献金

腐敗の根を断つ全面禁止こそ

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 甘利明前経済再生担当相の「口利き」による、あっせん利得疑惑をきっかけに、腐敗政治の元凶になっている企業・団体献金の全面禁止が改めて議論に上っています。金もうけが目的の企業が献金するのは見返りを求めるからであり、主権者でもない企業の献金を放置するのは国民の政治参加の権利そのものを妨げることになります。政党への企業・団体献金は、政治家がつくる政党支部に対するものを含めて全面禁止するとともに、形を変えた企業献金である政治資金集めのパーティー券代の負担なども禁止することが急務です。

企業献金は本質「わいろ」

 週刊誌報道などで疑惑が指摘された甘利前経済再生相は、千葉県内の建設会社から大臣室などで献金を受け取っていたことや秘書が受け取った献金の一部を個人的に費消していたことへの監督責任などを認めて閣僚を辞任しました。しかし肝心の、建設会社と都市再生機構(UR)との補償交渉を「口利き」し、その見返りに自身や秘書が献金や接待を受けたのではないかという疑惑については「調査中」などを理由に明らかにしていません。国会への証人喚問や参考人として呼ぶことを含め、甘利氏に説明責任を果たさせることは引き続き重要課題です。

 甘利氏は建設会社からの献金について、政治資金規正法にもとづき届け出れば問題がないようにいいますが、国会議員や秘書が国やその出資する団体に企業などから頼まれてトラブル処理などを働きかけ、その見返りに報酬を受け取れば、あっせん収賄罪にあたる重大犯罪です。国会議員などに職務権限があれば、より罪が重い収賄罪にもなります。甘利氏のあっせん収賄疑惑は、企業献金が文字通り腐敗政治の温床であることを浮き彫りにした形です。

 もともと金もうけが目的の企業が利益にもならないのに政治家に献金すれば、経営者は株主から背任の罪で訴えられます。企業献金は効果がなければ背任、効果があれば収賄の罪に問われるという、どちらにせよ危なっかしいものです。金もうけが目的の企業が献金すれば見返りを求めるのがあたりまえで、企業献金は本質的には「わいろ」にあたります。

 現行の政治資金規正法は、政治家個人への献金は「わいろ」になりやすいということで、献金は政党に限っています。ところが政治家がつくる政党支部への献金は認めており、直接・間接の政党支部への献金が企業献金の抜け穴になっています。また、政治資金集めのパーティー券代を企業が負担したり、企業の役員に形ばかりの個人献金をさせその分を企業が補てんしたりするなどの形での抜け穴も横行しています。こうした事実上の企業献金を含め企業・団体献金を全面禁止しない限り、腐敗の根を断つことはできません。

甘利氏は4年間で5億円

 甘利氏は自らの政党支部を企業献金の受け皿にするほか、自らの資金管理団体や政治団体を使ってパーティーを繰り返し、政治資金を集めてきました。2011年からの4年間で政党支部で受け取った企業献金とパーティー収入は合計5億円を超します。閣僚に求められている資金集めパーティーの自粛は守られていません。

 抜け穴を残さないために、自粛でなく全面禁止こそ不可欠です。


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